Partager

第80話 この女の毒舌、半端ない

Auteur: 夕凪
last update Date de publication: 2026-07-11 18:26:35

第80話 この女の毒舌、半端ない

「お母さん、あの伯母は、本当は私を心から可愛がっていたわけじゃなかったんだ。あんな大勢の人の前で、私の顔をまったく気にしなかった」

たったこれだけのことで、茜はこの伯母を心底憎むようになった。

「もう悲しまないで。あとで、私たちで神崎家に行くから」志織も非常に不愉快だった。

さっき娘が電話で話した時も、彼女はかなり腹が立ったが、今、娘が面と向かって泣きながら訴えるのを聞いて……本当に耐えられなかった。

茜は社交界で一番の令嬢だ。

今日のことが外に漏れたら、これから茜はどうやって令嬢の世界でやっていけるというのか?

しかも、傷ついたのは娘の顔だけでなく、三枝家の顔もだった。

「お母さん、あの

Continuez à lire ce livre gratuitement
Scanner le code pour télécharger l'application
Chapitre verrouillé

Dernier chapitre

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第264話 何度でも帰ってくる

    第264話 何度でも帰ってくる階下では、もうすぐ夕食の時間だった。美月は部屋に長居することなく、荷物を置くとすぐに階下へ戻った。雅は彼女の姿を見るなり、嬉しそうに声をかけた。「美月ちゃん、ちょうどいいわ。手を洗って、ごはんにしましょう」美月は素直に返事をした。「はい!」だが、そのままダイニングへは向かわず、リビングにいる清子のもとへ歩み寄って、そっと手を取った。「おばあさま、一緒に行きましょう」「支えてくれなくてもいいのよ。この年寄りだって、まだまだしっかりしてるんだから」美月が何か言うより先に、雅が口を挟んだ。「美月ちゃんはお母さんを年寄り扱いなんてしてないわよ。ただ仲良くしたいだけじゃない!」清子はすっかりご満悦で、顔に浮かぶ笑みがますます深くなった。そして、雅をちらりと見て、からかうように言った。「まあ、すっぱい匂いがぷんぷんすること」雅はすぐにうなずいた。「ええ、もう、すっごくすっぱいんです!」その返事に、清子は声を上げて笑った。一方、美月は恥ずかしそうに頬をほんのり赤らめた。やがて、一同はダイニングへ向かった。「美月ちゃん、私の隣に座りなさい」「はい、おばあさま!」清子が席に着くのを待ってから、美月もその隣に腰を下ろした。&nb

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第263話 なんて気が利いている

    第263話 なんて気が利いている蓮の父親、神崎総一郎が外から戻ってきた。美月の姿を見ても、特に驚いた様子はなかった。先ほど車が敷地に入ってきたとき、すでに美月の車を見かけていたからだ。美月は慌てて挨拶した。「お父さん」その呼びかけを聞くと、総一郎の表情がいくらか和らいだ。軽くうなずき、口を開いた。「せっかく来たんだから、何日かゆっくりしていきなさい」口数の少ない総一郎にしては、珍しく長い言葉だった。「はい」美月が返事をすると、総一郎はようやく、両親が手にしているものに目を向けた。――なるほど、お菓子か。清子もにこにこしながら声をかけた。「美月ちゃんが買ってきてくれた来福堂のお菓子よ。あなたも一つ食べてみなさい」――実の息子なんて、そんなものだ。総一郎は普段、甘いものを口にしなかった。それでも、母がお菓子を取られまいとする顔をしているのが面白くて、うなずいて、差し出されたお菓子を受け取った。「雅は?」その一言に、清子は思わず白目をむきそうになった。「帰ってくるなり、妻のことばかりね。まだ台所でスープを煮ているわよ。美月ちゃんが来たことにも、気づいていないんじゃないかしら」神崎家はとても広い。普段からリビングで話していても、台所までは声が届かないのだ。「見てくる」総一郎は手にしていた鞄を脇に置くと、そのまま台所へ向かった。清子は美月に向き直り、笑いながら言った。「あの人ったら、仕事から帰ると、まず妻に会わないと気が済まないのよ」美月は絶句した。「……」――どうやら、この二人は本当におしどり夫婦らしい。一人は偉丈夫で冷たく、一人は優しくおおらか。二人とも上等な顔立ちで、並べばまさに『俺様社長』と『淑やかな妻』ではないか?頭の中に蓮の姿が浮かんだ。――彼は両親の性格とはまるで違うようだし、おじいさまとおばあさまにも似ていない。あの性格は、誰にも似ず、自由奔放に育ったせいなのかしら。雅はすぐに姿を現した。リビングに座っている美月を見つけると、たちまち目を輝かせ、小走りで美月に近づいた。「美月ちゃん、来たのね! ちょうど今、いつ着くのか電話で聞こうと思っていたところだったのよ!」美月もすぐに立ち上がった。「お母さん、今着いたばかりです」「来てくれてよかったわ。荷物は先に三階の部屋に置いてきてね。それから下

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第262話 また神崎家へ

    第262話 また神崎家へ午後、美月は早めに退社した。神崎家の目上の人たちに、何か手土産を買って帰らなければならないからだ。――いくら家族とはいえ、別々に暮らしている自分が急に戻るとなれば、手ぶらで顔を出すわけにもいかない。それほど高価なものでなくていい。大切なのは、気持ちだ。まずはデパートのお茶売り場へ向かい、お茶を一缶買った。それから、和菓子屋の「来福堂」へやって来た。店の前には、長い行列ができていた。――予約しておいてよかった。美月は思わずほっと息をつくと、そのまま店に電話をかけた。しばらく呼び出し音が鳴ったあと、相手が出た。「すみません、さっきちょっと忙しくて。あ、お菓子、受け取りに来てくれたんですか?」「ええ、もう着いたわ。店の前にいる」「じゃあ、そこで待っててください。誰かに持って行かせますから」「わかった。ありがとう!」美月が通話を切って間もなく、店員が洒落た箱を抱えて、手早く店から出てきた。店員は辺りを見回し、美月も慌てて手を振った。どうやら美月を見つけたらしく、店員は早足で近づいてきた。「美月さんでいらっしゃいますか?」美月は頷いた。「ええ、私よ」店員はすぐに、手にしていた箱を美月へ手渡した。「

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第261話 誰よりも貞操を守る男

    第261話 誰よりも貞操を守る男美月は急いで出ることもなく、自分のオフィスに戻ってから、ようやく電話に出た。通話がつながると、蓮のどアップの顔が、画面いっぱいに映し出された。「ようやく出た……」その声には、いつもにない悔しさが滲んでいた。美月は驚いて目を瞬かせた。「……ど、どうしたの?」「早く早く。スマホこっちに向けて。お前の顔、見せてくれよ。目を洗いたいんだ……」美月は困惑した。「……?」――何なの? 何を洗うっていうの?「この世界、マジで危険すぎる。男だって危ないんだぞ。危うく、お前の旦那は……目が潰れるところだった……」美月は絶句した。「……」――全然わからない。美月は深く息を吸い、真っすぐに尋ねた。「何があったの?」「言うけど……まず怒らないでくれよ! 夜さ、女が一人、俺の部屋に忍び込んできたんだよ。もう、マジでびっくりした……」美月は言葉を失った。「……?」――つまり、その女が自分から抱かれに来たってこと?「安心しろ。俺の貞操は守った。ろくに見もせず、すぐに追い出させた」

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第260話 目を洗わないと

    第260話 目を洗わないと翔太は、すっかり呆れ返っていた。しばらくして、ようやく蓮に親指を立てた。「よし、お前は本当に天下一のいい男だな」「でも、お前のモテっぷりも大したもんだ。女が次から次へと寄ってくる……ちっ、羨ましい限りだぜ」蓮は危険な光を宿して目を細めた。「お前、羨ましいのか?」翔太は、本当に羨ましいと思っているわけではなかった。ただ、昔から口が悪いだけだ。つまり、いつも軽口を叩いて調子に乗るのが好きなだけだ。翔太が何か答えるより先に、蓮の冷たい声が響いた。「そんなに羨ましいなら、あの女、まだいるはずだ。行ってくれば?」翔太は、その言葉に一瞬で顔をしかめた。――あの女を想像しただけで、鳥肌が立つ。「……あの女が見てるのは、俺じゃないだろ!」「ふん、行ってみろ。きっとお前に惚れるさ」翔太は即座に答えた。「……ありがとう! でも、いらないね」――まったく。こんなときだけ、ずいぶん丁寧に勧めてくれるじゃないか。せめて他のことで、そのくらい認めてくれればいいのに。蓮は指先で腕時計の文字盤を軽く叩いた。コツ、コツと澄んだ音が響いた。

  • 婚約者を寝取られた夜、財閥御曹司に溺愛されました   第259話 蓮様の目に映る女は、たった三人しかいない

    第259話 蓮様の目に映る女は、たった三人しかいない「やめて、そんなことできない……」愛はすっかり慌てて、顔色を変えた。「神崎様に会わせて。彼が私にこんなことをするなんて……ありえないわ」恒は、そんな愛を一瞥した。――いったい、どこからそんな自信が湧いてくるんだ?恒はそのままスマホを取り出し、警察へ通報しようとした。ちょうど番号を押そうとした、そのとき――外から、何人かが慌てて駆け込んできた。先頭にいたのは、ホテルの支配人だった。「失礼いたします。何があったのでしょうか?」恒は支配人を一瞥した。「この女が、神崎様の部屋に無断で入り込んだ。警察に通報する。それと、そちらのホテルにも説明してもらう」ホテルの支配人はM国人だったが、日本語が堪能で、聞くのも読み書きもまったく問題なかった。当然、恒の言いたいこともすぐに理解した。支配人はぎょっとした。――もしこの件が外部に漏れたら、ホテルにとっては大問題だ。評判にも傷がつく。彼は慌てて頭を下げた。「恒様、このたびはこのようなことが起きてしまい、大変申し訳ございません。すべて私どもホテル側の落ち度です。ですが……この件について、もう少しお話し合いをさせていただけないでしょうか?」その態度は、これ以上ないほど低姿勢だった

Plus de chapitres
Découvrez et lisez de bons romans gratuitement
Accédez gratuitement à un grand nombre de bons romans sur GoodNovel. Téléchargez les livres que vous aimez et lisez où et quand vous voulez.
Lisez des livres gratuitement sur l'APP
Scanner le code pour lire sur l'application
DMCA.com Protection Status